MEDIA LIBRARY OF THE CAPUCINS (カプチン会図書館)

フランス、ブレスト Designed by Kanal Architects

読書を再定義し再デザインする

フランス、ブレストの歴史ある工業用建物がモダンで個性的な図書館に変身しました。メディア・ライブラリー・オブ・ザ・カプチンズは、ブレスト市にとって歴史の一部であるとともに、今やそのモダンなデザインと家具の選定により未来に向けた準備を整え、図書館を訪れる人々に文化的な体験を提供します。

ブレスト市には、2016年に新しいメディアライブラリーが誕生しました。その建物はかつてフランス海軍の鉄工所でした。担当した設計事務所の狙いは、工業用建物としての過去を保ちつつ、ユニークなケーブル鉄道でアクセスできる公共ライブラリーに相応しい姿に変えることでした。設計者が自らに課した役割は、建物に新たな未来を与えることにより、その過去の歴史を伝えることです。この建物が最も壮観な姿を見せるのは、街からつながるケーブル鉄道がライブラリーのメインエントランスに直接到着する場所です。そこからは建物全体と1万㎡の敷地を見渡す美しい景色が広がります。建物は石造りで、巨大な鉄製のドアがあり、鉄工所だった当時の記憶を呼び覚まします。
 
内部は天井が高く、整然とした緻密な鉄材で構成されており、建物が工場に使われていた名残を感じることができます。ただし、最大の目的は、ライブラリーを訪れた人に信頼感と居心地の良さを感じてもらうことでした。この建物は、スチール材、床のゴム材、骨組みと壁のコンクリート材、木目を生かした型枠の木材など、わずかな種類の材料で作られています。VIA57チェアは広いスペースに居心地の良い雰囲気を与え、カラヴァッジオ ランプはくつろげる明かりを灯して、たくさんの本棚に沿って一列に並んでいます。家具を選ぶ基準となったのは、ミニマリズム、快適さ、デザイン、そして強度でした。