YJY Maike Store

YJY MAIKE CENTRE FLAGSHIP STORE

「ライブラリー&ギャラリー」をコンセプトとした現代的なブックストア

プロジェクトについて
中国古代の諸王朝の都である長安があった西安に、最先端の技術を持つ西安ハイテク産業開発区というエリアがある。その一角の洗練されたビルの1F/2Fにある、書店をメインとした4,500㎡の複合商業施設「YJY MAIKE CENTRE FLAGSHIP(STORE)」をデザインした。西安は、秦の始皇帝の兵馬俑という稀有な遺産がありシルクロードの始点であったため、古代から文化の交流が盛んだった古都である。曲線がエレガントなツインビル、階上にグランドハイアットがあるというラグジュアリーな環境を生かし、人々がグローバルな交流を楽しみ、文化がミックスされ、人と本の出会いが生まれる場となることを目指した。今日、都市は非常に異なるアイデンティティを持っている。この店舗では、中国の歴史とハイテク産業という新旧両方の要素が混在している中国の力強さと活力を感じる西安のアイデンティティを、エレガンスでクラシカルな宮殿のイメージでまとめあげた。

ストアコンセプトとインテリアコンセプトについて
現在、中国では知的なライフスタイルが求められている。コンセプトを『Library & Gallery』とし、自分の時間を大切にして学ぶための空間である「Library」と、文化を展示する知的な空間「Gallery」の要素を混在させ、来場者とお店がクリエイティブな発想を相互発信しあい、共に創りあげていくことができる施設を目指した。また、インテリアには『宮殿の間取り』を取り入れ、宮殿のように部屋から部屋へと渡り歩く空間構成により、「人と人」「人と本」「人と空間」の親密さを実現し、普遍的な価値のあるクラシカルな宮殿のような空間となった。

クラシカルでありモダン、時空を超えた創造的な旅を体験する空間
1Fのエントランスには高さ10mの本棚を配し、店内に入ったときに本屋であることを瞬時に実感できるよう、圧倒的な本の存在感を濃密に演出した。また、螺旋階段がある吹き抜け周りを中庭のような存在とし、床の色を明るく、天井にミラーを貼ることで他のエリアとは異なる景色をデザインした。吹き抜けには紙が舞うような照明を吊るし、西安を中心とした世界地図を石で象嵌したステージを設け、華やかなイベントが催されるための舞台としても使える工夫を施した。2Fにはホテルのラウンジのような使い方ができるエリアを設け、バーカウンターではオフィス帰りに立ち寄り交流するビジネスマンの利用もイメージした。また、幅5m、長さ50mのブックストリートは天井高を低く床の色を濃くし、ディスプレイボックスを本棚に配置することでギャラリーのような落ち着いた雰囲気となっている。また、キッズエリアには、本だけでなく木で作られた遊具を設置し、親子で飽きることなく長く滞在し本と親しむ環境を作り出した。 
店内のアートはすべてオリジナルで、この地に関連するテーマでアーティストに制作を依頼し、アートを単体としてではなくインテリアと共存させることで、空間に深みをもたせた。来場者が、世界に誇る中国の長い歴史を感じながらリラックスして心を解放し、勉強し、考えを熟成させ、人生を楽しみながら時空を超えた創造的な旅を体験する、趣のある施設となった。