デザインに関して言うなら、ヤコブセンが自ら思い描くものをあらかじめ把握していることは滅多にありませんでした——これは、あれほどエフォートレスに見えるラインに対しても言えます。そのときのヤコブセンは、建築業者たちといるときの自信満々の人物とは程遠い存在だったのです。優れたプロポーション感覚とデザインおよびフォルムに対する類稀な才能から生まれたベーシックなアイデアを除き、ヤコブセンはいかなることも前もって決定しませんでした。