ハイメ・アジョンのイケバナベースは、美しさへの憧れと日本の伝統ある生け花の精神に基づきデザインされています。茎から花びらまで、生けられた花一輪一輪を大切にするフラワーベースです。
「フラワーアレンジメントをつくっている時間は、神聖な時間です。花は私たちの人生の節目を彩ってくれる存在ですから。フラワーアレンジメントは、日常生活のなかでマインドフルネスを実践し、自分自身を表現するための方法です」。マリー・アーネット, Tableau, コペンハーゲン フランスの田舎で生まれ、花に囲まれて育ったマリーは、手を動かしながら仕事をすることは、クリエイティビティを通じてマインドフルな方法で感情を表現する際に役立つと考えます。マリーは、アートフルな構図の中で花々に命が宿るようにと1本1本の花の色や質感を丁寧に選び、日本の伝統文化にインスパイアされたイケバナベースを独自に解釈しました。
「イケバナベースは、花々の美しさを最大限に引き出してくれます(中略)それによって花が自らストーリーを語ることを可能にし、私たちは花に命を与えることができるのです」。Mathilde Lauridsen、Stalks & Roots、コペンハーゲン デンマークの西海岸出身のマチルドは、子供の頃から自然とハンドクラフトが大好きでした。マチルドは「花は、私たちに自分と周りの世界を労わることの大切さを教えてくれる、日常生活の中のラグジュアリーです」と語ります。マチルドが手がけた2種類のイケバナベースのアレンジメントは、スタイルは異なりますが、ひとつのコンセプトでつながっています。どちらも花を主役に据えるという哲学に深く根ざしているのです。
スペイン人アーティスト兼デザイナー ハイメ・アジョンは、1974 年マドリッド生まれのスペイン人アーティストでありデザイナーです。フランコ没後、フレッシュかつダイナミックな国として成長するスペインで、自由な空気の中アジョンは育てられました。細やかさと大胆さを併せ持ち、さらには風変わりなイメージが差し迫ってくるような今日のハイメ・アジョンの作品が創り出されるベースには、彼が10代の頃に没頭したスケートボードカルチャーやグラフィティアートがあるといえます。 アジョンはマドリッドとパリで工業デザインを学んだ後、1997年にはベネトンによって創立されたデザインとコミュニケーションのためのリサーチセンター「ファブリカ」に加わり、高名なクリエイティブディレクターであり活動家のオリビエーロ・トスカーニと共に仕事をしました。彼が研究生というポジションからデザインの責任者へと抜擢されるまでには、さほどの時間を要しませんでした。それから8年後、人気に火がついたアジョンは、デザイナートイのコレクションに始まり、陶器や家具、インテリアデザインやインスタレーションへと活動の領域を広げていきました。