華やかなショッピング街の喧騒の中心にひっそりと佇む、親密さを感じさせながらもデザインにフォーカスしたゲストハウス・The Darling(ザ・ダーリン)。2020年にオープンしたThe Darlingは、クラシックなデンマークデザインを代表する珠玉の作品と現代アートで訪れる人をもてなします。
部屋から隣の聖霊教会の緑青に覆われた尖塔が望めるThe Darling。ゲストハウスを訪れる人は、都会の中心にいながら、隠れ家のような空間でゆったりとくつろぐことができます。広さ100平方メートルの落ち着いた雰囲気のベッドルームは、自宅さながらの心地よさを提供します。自宅との唯一の違いは、20世紀のデンマークデザインを代表する数多くのアイテムが贅沢に配されている点でしょう。
インテリアデザインには、素材と北欧ならではのクラフツマンシップへの敬意が投影されています。北欧の家具はシンプルでありながらも機能的で美しく、長く楽しむことができます。そしてここでは、ポール・ケアホルムのアイコニックなデザインが目を引くインテリアを生み出し、コンパクトなアパートメントタイプの宿泊施設に洗練さを添えています。リビングルームの中心を飾るのは、ウォルナット色のオーラレザーを纏ったPK80デイベッド。窓辺でのくつろぎや読書のひとときのために部屋の中心に置かれています。隣接するダイニングルームの主役は、ケアホルムのデザインを象徴する大理石のテーブルトップを配したPK54ダイニングテーブル。イベントやプライベートなダイニングの場としてはもとより、アレンジの効くデザインが魅力です。グレーブラウンの丸いテーブルトップと対照的なスクエアのスチールフレームが、しっとりと柔らかい質感が特徴のレザーのPK9チェアと絶妙なバランスを保っています。PK9の包み込むようなフォルムは、ケアホルムの妻がビーチに残した砂の跡から着想を得ています。
キャンバスのクッション付き3本脚スツール・PK33、よりスケールの大きい複雑な構造のテーブルの誕生を予告するスタイリッシュなPK71ネストテーブル、ケアホルムの作品の中でももっともミニマルなPK61コーヒーテーブルなど、いたるところにフリッツ・ハンセンを代表するさまざまなアイテムが散りばめられています。それぞれのアイテムは、訪れる人を温もりあふれるハグで包みこむイメージをもとに一点一点丁寧にセレクトされています。The Darlingは、卓越したデンマークデザインの豊かな歴史を新しい方法で体験できる場所でもあるのです。