建築と自然の調和を実現するための実験的な試みとしてスタートしたシーランチ・ロッジは、瞬く間にカリフォルニアの建築史に燦然と輝くシンボルとしてのポジションを築きました。それからさらに時は流れ、シーランチ・ロッジはサステナブルデザインを象徴する場所へと成長しました。ここでは、周囲の荒々しい自然の美しさと建築が見事に融合しています。
シーランチ・ロッジの歴史は、先見性あふれる建築とサステナビリティに支えられています。1960年代に実験的な建築物として誕生して以来、カリフォルニア沿岸部のサステナブルデザインのシンボルとして親しまれてきました。今回のフリッツ・ハンセンとのプロジェクトは、自然環境との融合と、長く楽しめるデザインに対するコミットメントを具現化することによって、シーランチ・ロッジのヘリテージへの敬意を示しています。
プロジェクトの一環として、フリッツ・ハンセンのスカゲラックコレクションを使ったアウトドア空間のリノベーションが行われました。スカゲラックコレクションは、自然から得たインスピレーションと北欧らしいミニマルなデザインを理由に採用されました。丁寧につくられたウッドのベンチやスツールが、宿泊客や住民を温かく迎えるアウトドア空間を創出しています。そのなかでも、カッター ベンチとスツール、バンコ ベンチ、そしてビトウィーンラインズ デッキチェアがウッドを基調としたシーランチ・ロッジの空間と調和しながら、モダンなエレガンスと温かみのある心地よさとともに空間をアップグレードさせています。
すべての人のための空間
シーランチ・ロッジは、日常から離れて心と体を癒す「リトリート」としての役割に加えて、地元コミュニティとの絆を積極的に育んでいます。このコミュニティは、カリフォルニア沿岸部への愛着とシーランチ・ロッジのレガシーの保全という目的を共有する人々で構成されています。また、シーランチ・ロッジは郵便局としての機能も担っています。住民専用の郵便受けが設置されているため、人々が集まったり、会話を楽しんだりするための場になっているのです。住民の日々のニーズに機能的に応えるだけでなく、絆を育むためのコミュニティとなる空間を提供することは、シーランチ・ロッジの歴史を作ってきた不可欠な要素なのです。
フリッツ・ハンセンとのコラボレーションは、長く楽しめるデザインに対するコミットメントと自然環境の美しさへの敬意を体現しています。建築と自然の融合を表現しながら、カリフォルニアの建築史のシンボルとして、さらには人々を魅了し続けるソノマ群の自然美が体感できる場所としてのシーランチ・ロッジの真髄を称えるプロジェクトです。